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睡眠サイクル

 

赤ちゃんの睡眠サイクルは短い

赤ちゃんには大人と同様睡眠サイクルがあります。
睡眠サイクルとは、レム睡眠時は眠りが深くなり、ノンレム睡眠時は眠りが浅くなる、
それを起きるまで繰り返す周期のことです。
大人の睡眠サイクルが約90分~100分なのに対して、生後3ヶ月の赤ちゃんの睡眠サイクルは約40分~50分とされています。

グラフ

つまり、赤ちゃんは目が覚める機会が多い=ちょっと不快なことがあれば起きてしまうのです。
参考HP『監修 久保田俊郎 ママと赤ちゃんが夜よく眠れるようにベビー睡眠編』

 


活動時間と昼寝時間

 

赤ちゃんには活動限界がある

赤ちゃんには月齢に応じて、
起きてから眠たくなるまでの時間(活動時間)がある程度決まっています。
以下の表をご覧ください。
(活動時間の表)(愛波 文 (2018₎ママと赤ちゃんのぐっすり本 「夜泣き・寝かしつけ・早朝起き」解決ガイドより)

例えば、
生後6か月の子が朝7時に起きていたとすると、最長でも●時までにはベッドに寝かせなければならないのです。
これ以上起こしたままになってしまうと、疲れすぎてしまい逆に眠れなくなってしまいます。

 

眠たいサインを見極める

さらに気をつけて見てもらいたいのが「眠たいサイン」です。
眠たくなる前に、必ず赤ちゃんから「眠たいサイン」が出ています。

赤ちゃんからの「眠たいサイン」と活動時間を意識し、
適切なタイミングにベッドへ運び寝かすことで、あかちゃんの「疲れすぎ」てしまうのを防ぎます。
疲れすぎてしまうと、寝付けなかったり、寝てもすぐ起きてしまったりするので要注意です。

(イラスト+吹き出し)ベビちゃんは月齢の低い時は指を吸っていました。
その後、意味もなくぐずる→目をこする→何もしていないのに笑う→ぬいぐるみを激しく口に入れる→床に顔をこすりつける、と
月齢が上がると徐々に変化していきましたよ。
一見元気に見えるんですが、実は眠たいこともあります。
我が家では眠たい・ハイ(ランナーズハイ的な)と呼んでいますが、
寝る付近になると突然動きが活発になってしまうのです。
それを過ぎるとぐずぐずで寝てもすぐに起きてしまったり、寝つきが悪くなったりします。
なので、活動時間で眠たくなる時間を見極めることはとても大切です。

 

昼寝は寝かしすぎない

朝寝・昼寝・夕寝とあるお昼寝にも赤ちゃんにとってベストな時間がある程度決まっています。
以下の表をご覧ください。

 

昼寝を長くとり、最初は夕寝、次は朝寝が成長とともになくなっていきます。
この時間以上寝てしまいそうな場合は、起こしてあげてください。

気持ちよさそうに眠っている赤ちゃんを、起こすのが忍びないと感じてしまうでしょう。
しかし、そのまま寝かせてしまうと、活動量が足りず、夜眠れなくなり、昼夜が逆転してしまいます。
これは大人も同じですよね。
それとは反対に、お昼寝が短すぎても、次の睡眠まで起きていることができなくなり、疲れすぎて次の睡眠に影響が出てしまいます。

つまり、活動時間と昼寝時間は、
月齢ごとの基準をベースに
赤ちゃんの性質と合わせて適切に配分していかなくてはならないということです。

 

 


光と睡眠

 

体内時計を整えるのは太陽の光

どのネントレ関連の本やサイトにも、
「朝カーテンを開けて日の光を入れる」ことが書いてあります。
これは光と睡眠には密接な関係があるからです。

人の体は青い光を浴びると「起きなきゃ」と反応します。
青い光の属性になる太陽の光は、体内時計をリセットする重要な役割があり、睡眠と関係しています。

青い光の属性には太陽の光やスマートフォン、テレビなどが、赤ちゃんを起こすには太陽の光が効果的です。
(イラスト、これはNG、スマホ50㏓、ろうそく5㏓、バスルーム・キッチン200㏓、日の出日の入り400㏓)

生後6ヶ月ごろから睡眠リズムができるといわれているので、
起床時に太陽の光を浴びさせることで、生活リズムを整えましょう。
特に、午前中の光は、眠気を作るホルモンに影響を与えるので、午前中に外で遊ぶことがおすすめですよ。

 

睡眠の邪魔をする光

まだ寝ていてほしいのに起きてしまう早朝起きや、
寝てほしい時になかなか寝付かないという睡眠トラブルは光と関係があるかもしれません。

先ほど、青い光は「起こす」効果があると説明しました。
つまり、その光が原因で起きてしまったり寝付けなかったりすることがあるのです。

早朝起き
特に日の長い夏の時期に起こりがちですが、隙間から朝日が漏れて部屋が薄明るくなったりしませんか?
日の出は400㏓という強い光です。この光で赤ちゃんが覚醒してしまう可能性があります。
光の漏れは極限まで塞ぐことで、時間までしっかり眠ってもらいましょう。

寝つきが悪い
寝る前にスマホやテレビなどを見せたり、明るい部屋で過ごしたりしていませんか?
その光が赤ちゃんを起こしていたため、なかなか寝付けないという可能性があります。
寝てほしい時間の最低1時間前までにはテレビやスマホを見せないようにし、
寝てほしい時間の30分前には部屋を薄暗くして、眠気を邪魔しないようにしましょう。

早朝起き…かなり苦労しました。カーテンから漏れる光をタオルで埋めたり黒い暗幕をかけたり…
ドアの隙間の光でも起きちゃうんですから、本当に敏感ですよね。

 


授乳と睡眠

 

月齢別スケジュールで授乳のタイミングを管理

大人がお腹がすいて眠れないときがあるのと同じように、
赤ちゃんにとっても授乳と睡眠は切っても切れない関係です。

ジーナ式では、特に睡眠と授乳について以下のように取り上げています。

『授乳は、赤ちゃんの一生の最初で極めて重要な意味を持ちます。
将来の健康基盤を作るだけでなく、それだけぐっすり眠るかにも大きな役割を果たします』
ジーナ・フォード₍2020)【改訂版】カリスマ・ナニーが教える 赤ちゃんとおかあさんの快眠講座より

授乳のタイミングは、従来の方法ではなく、
月齢ごとのスケジュールで授乳時間を固定することをおすすめします。

時間を固定しない従来の授乳のタイミングには、以下のようなデメリットがあります。

3~4時間おきの授乳
・赤ちゃんにとって回数が少ない可能性がある
・赤ちゃんによっては3時間もたない可能性がある

デマンドフィード(欲しがるときにあげる方法)
・ママの疲労がたまり、結果体に外傷が出る
・よく寝る子には授乳量が足りなくなる
・何が理由で泣いているのかわからないので泣くたびに授乳する→授乳・おっぱい依存

従来の3~4時間おきの授乳やデマンドフィードだと、赤ちゃんにもママにも負荷がかかります。
双方にとって無理のないスケジュールで授乳することで、健全な状況を維持しましょう。

 

『飲ませ方』がとても大事

授乳は、ただ一定量を飲ませればいい、というわけではありません。
飲ませ方・飲ませる量について気を付けることで、赤ちゃんの必要量をしっかり満たすことが大切です。
赤ちゃんが満足していなければ、授乳間隔が短くなったり、ぐずったりするので要注意です。

母乳の場合
・しっかりとマッサージする…飲みやすくそして飲み切れるようにする
・きちんとした姿勢で飲ませる…位置が悪いと乳首が切れるなど怪我をするため
リラックスして飲ませる…催乳効果のあるオキシトシンが分泌され出やすくなる
・片方をしっかり飲ませ切る…後乳までの飲ませると腹持ちが良く、次の授乳までもつ
母乳は最初に前乳が出て、そのあとに後乳が出ます。
後乳は少ししかでませんが、前乳の3倍の脂肪分があり、そのおかげで腹持ちがよくなります。
飲むのがゆっくりになった時が後乳を飲んでいる目安です。
なので、飲み切っていないのに両方の前乳だけを飲むと直ぐにお腹がすいてしまいます。
              後乳までしっかりと飲み切ったか、乳房を摘まんで確認しましょう。
・寝たらしっかりと起こす…十分に飲めずお腹がすくのを防ぐ

ミルクの場合
・成長期にはミルクの量を時間帯で増減させる

例えば)粉ミルク『はいはい』生後1ヶ月体重4.6㎏の場合
一回のミルクの量140ml×6回=840ml

すべての時間同じ量ではなく、成長期には飲む量が増える時間を管理する必要があります。
(多めに摂取する時間は7時、10時30分、22時30分など)(表入れる)
(ジーナ・フォード₍2020)【改訂版】カリスマ・ナニーが教える 赤ちゃんとおかあさんの快眠講座より)
7時、10時30分、22時30分が多めに飲むタイミングです。
微量ですが調整して、赤ちゃんが活発に動くタイミングと、寝る前の授乳量を増やしましょう。

 

吸いたい欲求と飲みたい欲求

見極めが難しいのですが、吸いたい欲求と飲みたい欲求は異なります。

飲みたい欲求は文字通りお腹がすいている状態のことを指し、
吸いたい欲求はお腹はすいていないが、吸うことで安心したいという願望を指します。

つまり、赤ちゃんは
授乳後泣いている=お腹がすいているとは限らないのです。

規定量飲ませても泣いている場合は、吸いたいと泣いている可能性も視野に入れましょう。
両方の乳房を摘まんで出てこなければ飲み切ったとみなし、一旦だっこであやしてみてください。
そこで泣き止めば、吸いたい欲求であった可能性が高いです。

泣き止まない場合、また指定された授乳じかにょり早く泣く場合は、母乳の出を気にしましょう。
母乳は需要と供給で成り立っていて、突然赤ちゃんの需要が増えると、供給量が追い付かない可能性があります。
授乳回数を増やす(お昼寝など寝る前を推奨)や搾乳で母乳を外へ出し、供給量を増やしましょう。

ただ、誤解しないでほしいのは、
お腹がすいていても授乳をしてはいけないというわけではありません。

十分飲んでいたにもかかわらず、飲んだ後もぐずって泣き止まない、
次の授乳の前にお腹がすいて泣く場合には、必ず授乳をしてください。(イラスト)

 


授乳睡眠以外の泣く理由

 

『恐怖』『不安』『危険』

空腹や眠気以外にも、赤ちゃんの泣く理由があります。
『不快』(暑い・寒い・おむつが濡れているなど)
『苦痛』(病気・怪我など)
そして、『恐怖』『不安』『危険』です。

『赤ちゃんにとって「眠る」ことは「恐怖」や「不安」に繋がることだと思っています。
なぜなら、眠っている状態というのは、いつ外敵に襲われるかもわからない非常に危険で無防備な状態だからです』
(清水悦子₍2018)マンガでよくわかる 赤ちゃんにもママにも優しい安眠ガイド 0歳からのネンネトレーニングより)

例えば寝かしつけのとき時、

いつもママが抱っこして、揺らしながら子守唄を歌って寝ると、
この寝かしつけの行為を、「安心して眠れる条件」として覚えます。

「安心して眠れる条件」で眠った赤ちゃんが、ふと目が覚めた時にベッドの中にいたらどう思うでしょうか?

『さっきまで、ママにだっこされて、子守唄を聞いて眠っていたのに、起きたらママもいないし、抱っこも子守唄もなくて不安』

急に『不安』そして『恐怖』に襲われた赤ちゃんは、驚き、同じように寝かしてくれと要求するために泣きます。

大人で考えると簡単です。
自室で寝ていたのに、知らない場所で起きるのと同じです。それは『恐怖』や『不安』でしかないですよね。

つまり、「寝かしつけの方法」は非常に大事だということです。

寝かしつけのポイントは、
・「安心して寝られる条件」を、ママ・パパがずっとできるものにする
・寝た時と起きた時の環境を同じにする

という点です。

ずっと抱っこで寝かしつけができるなら良いですが、できないときもありますよね。
ママのストレスは赤ちゃんにも伝わるので、ママの負担も少ない方法を考えてみてください。

最初はいつもと違うので泣いてしまいますが、赤ちゃんはとても柔軟です。
新しい「寝かしつけの方法」を「安心して眠れる条件」だと理解し、眠れるようになります。

(イラスト)我が家は、ウサギのタオル人形を小さいころからずっと寝るときに渡しています。
ノンレム睡眠時に起きてしまってもウサギがそばにいれば、もぐもぐしながら自分を落ち着かせ、
再度眠りについています。逆にうさぎが手の届かないところにいると泣き出しますが…そこは許容範囲だと思っています。

 


ルーティーンが大好き

 

ルーティーンを作ろう

赤ちゃんはルーティーンが大好きな生き物で、いつもと同じであることに安心を覚えます。
ねんねのルーティーンは以下の要素を盛り込みながら、ご家庭オリジナルで作ってください。

①ママ・パパがストレスなく続けられるもの
②寝る30分前には薄暗くし、静かなスキンシップを楽しむこと
③赤ちゃんが寝る前にベッドに置き、寝たら起こしてからベッドに置くこと

もしよかったら参考までに…
我が家のルーティーンは、
寝る30分前に部屋を暗くする(表情が見えるくらい)
→おもちゃで遊ばせたり、本を読んだり、体に触れる遊びをしたりする
→「おもちゃがねんねするって」「おやすみ~」と言っておもちゃをかたづける
→ウサギのぬいぐるみを渡す→もう少し暗くして膝に座らせてスキンシップ
→10分前になったらだっこして「ねんねの本(暗唱)」を聞かせる→ベッドに置く
→ホワイトノイズをつけ、部屋を真っ暗する
です。これは、パパ・ママ共通で実践しましょう!
特に『ねんねのお供』『暗くする』『スキンシップ』はとっても大切です!

注意点
寝かしつけを身に着けたり変更したりする際に気を付ける点があります。
①一度変えたら途中で変更せず、2週間は続ける
方法がいろいろ変わるとねんねの合図なのかどうかがわからなくなってしまいます。根気よく2週間程度は続けて様子を見ましょう。
②寝かしつけがどうしてもうまくいかない時期
・体の成長期
例えば、寝返りをする、ずりばいをする、はいはいをするなど
急成長するタイミングは寝かしつけ方を変えにくいと言われています。
あまりにも定着しない場合は、成長期の可能性があるので、時期をずらしてチャレンジしましょう。
・メンタルリープ
オランダのプローイュ博士が発見した、赤ちゃんのぐずりの周期のことです。
出産予定日から、5週、8週、12週、19週、26週、37週、46週、55週、64週、75週の計10回起こると言われています。
この時期も定着しにくい場合は、時期をずらしてチャレンジしましょう。

 


まとめ

赤ちゃんの生態について、以下のことがわかりましたね。
・赤ちゃんは眠りの浅いタイミングが多い
・活動時間と睡眠時間とお昼寝の時間が赤ちゃんのコンディションを左右する
・太陽の光は赤ちゃんにとても影響力がある
・授乳は、従来の方法ではなく、月齢別スケジュールに沿って飲ませると個体差を補える
・「不安」や「恐怖」にも赤ちゃんは反応して泣く
・ネントレがどうしても成功しないときがある。その際は時期をずらす

目からうろこな情報もあったのではないでしょうか。
こうした赤ちゃんのことを知っておくと、
「こうしたほうがいい」や「これだから成功しないんだろう」など予測することができます。
この知識をベースにネントレに取り組みましょう。
その前に、ネントレには欠かせない「おすすめグッズ」をご紹介します。