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ネントレとは?

 

ネントレとは、ねんねトレーニングの略称。
赤ちゃんが、自力で眠ることができるようになるためのトレーニングのことです。

ネントレには、眠りにつく力・眠り続ける力も含まれていますが、ただ眠るトレーニングをすることだけがネントレではありません。
赤ちゃんの生活スケジュール・授乳・遊び・スキンシップなど、睡眠に関係するものすべてがネントレに含まれています。

つまり、規則的な生活を送ることがネントレの基本なのです。

決まった時間に適量を授乳し、適度に遊び、十分なスキンシップをとってあげることで、赤ちゃんを安眠へと導けます。
赤ちゃんの睡眠の部分だけを実施するのではなく、生活を含めてネントレだということを覚えておいてください。

 


泣き続ける赤ちゃんを放置することがネントレ!?

 

「ネントレって赤ちゃんが泣いているのを放置するんでしょう?」
そう思われている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

結論からお伝えすると、そうではありません。

ネントレは、赤ちゃんが泣かなくても眠れるようにするためのトレーニングです。

例えば、
生まれてからずっと、ママのだっこやゆらゆらで寝ていた子が、
その子が突然1人で寝かされそうになったら、「いつものように寝かしてつけてほしい」と思い泣いて訴えます。
それは、1人で寝ることを経験していないため、1人で寝ることが安全なのか、わからないからです。

そこでママ・パパは「大丈夫だよ」と優しく声をかけ、1人で寝ることが怖いことではないことを赤ちゃんに教えます。
最初は泣いてしまいますが、1人で寝る経験を経て、赤ちゃんは「1人で眠ることは怖いことじゃないんだ」と覚えていきます。
そして、ベッドで1人になっても自然と眠るようになるのです。

どうしてもその泣き声がつらくなったら、だっこしたり授乳したりできます。
ネントレには何種類かあり、常に見守り、数分おきに声をかけ、どうしても難しいのであれば抱き上げる方法もあります。
泣いている子を放置しなくてはいけない、という決まりはありません。

 


ネントレの種類

 

ネントレには、さまざまな方法がありますが、今回は比較的取り組みやすいものを3つ紹介します。

①月齢ごとの赤ちゃんに合わせたスケジュールで、寝る時間を覚えさせる方法

赤ちゃんに「何時に寝るか」を覚えさせることで、その時間に眠くなる体を作り、ひとりでも眠れるようにしていく方法です。
いきなりひとりで寝かせるのではなく、段階的にママ・パパのだっこから離れていくことで、セルフねんねができるようにします。
泣いたら5~10分様子を見て、数分おきに声をかけ、ダメなら抱っこか授乳します。

 

②スケジュール+ねんねの合図を教えて、赤ちゃんに安心させる方法

抱っこ+ゆらゆら=ねんね  添い乳=ねんね
と覚えてしまっている赤ちゃんに、新しい「ねんねの合図」を教える方法です。
例えばぬいぐるみ+トントン+布団=ねんねを、寝る決まった時間に繰り返しすることで、
だっこや添い乳(ママの負荷になる寝かしつけ)じゃなくてもねんねができるようにします。
泣いたら15分ほど近くで様子を見て、ダメなら抱っこします。

 

③スケジュール+ルーティーン→「寝る力を引き出す」方法

スケジュールの中に寝る前・朝・昼のルーティーンを組み込むことで、
「これが始まったら寝る」「これが始まったら起きる」ということを覚えさせる方法です。
合わせて、赤ちゃんの「寝る力」を阻害しないよう、必要のない授乳やむやみな抱っこは控えます。
泣いたら長くても5分で様子を見に行く。間隔を少しずつ伸ばし、普通45分で眠ります。

 

 

上記以外にもCry It Out Alone Method(ずっとひとりで泣かせる方法)泣かせない方法もあります。
ネントレというと、このCry It Out Alone Method(ずっとひとりで泣かせる方法)をイメージしがちですが、
泣かせっぱなしにしない①~③の方法があることを覚えておいてください。

また、
必ずしも上記の通りに実践しなくてはならない、と無理はしないようにしてください。

赤ちゃんにも個性があります。睡眠時間が短くても平気な子、どうしてもすぐ眠くなってしまう子、みんな違いますよね。
赤ちゃんの特徴を分析し、「どうしたらこの子が自力でねんねできるようになるか」を考えながらアレンジしてもいいでしょう。

詳しいネントレの取り組み方法は『さあネントレをはじめよう』でご紹介します。
赤ちゃんの生態とスケジュールを踏まえて、より良い方法を模索しましょう。

 

我が家もアレンジしました。30分前には部屋を薄暗くし、ねんねのお供(ウサギのぬいぐるみ)を渡します。
ホワイトノイズを流し、ベビちゃんを膝に乗せ、優しくゆっくり話しかけます。なるべく体と体が触れるようにします。
「ねんねの本」を暗唱してベッドへ。
泣き出した場合は、パパくんと相談し、5分、5分、7分、10分と様子を見に行く間隔をだんだん広げていきます。
そして、30分たってもギャン泣きならリセット!一旦抱き上げ、落ち着かせます。
そこで、寝そうなら眠る前にベッドに置き、寝そうもなければ眠くなるまで遊ばせています。

結果:

◆実践前 ぴよログ6月14日の一週間               ◆実践後 ぴよログ7月26日の一週間
       →→→→→→→→→       

 

劇的に変化しました!

ちなみに、ころんとベッドに転がして寝るようになったのは、はじめて2週間後くらいから。
勿論泣いている間はつらいです。でも、「30分経てば抱っこできる!」と必死に耐えました。
今は10ヶ月ですが、夜泣きは月に1~2度、抱き上げなきゃいけないのは月に1度あるかないかです。

 

 


悪影響はないの?ネントレのメリットとデメリット

 

サイトで調べていて、
「ずっと泣かせたままなんて、ネントレは赤ちゃんの発達に悪いんじゃないか」と書いてあると不安ですよね。

しかし

ネントレは、赤ちゃんに悪影響を及ぼすものではありません。

そもそも、ネントレによって悪い影響が出たという研究結果は見たことがありません。
むしろ、ネントレのが良しとされる結果は多数存在します。

 

研究結果が裏付けるネントレは効果のある手法

研究結果
・Minde11らは,アメリカ睡眠医学会(AASM)の特別研究として5歳未満の睡眠問題への行動的介入52研究を総括し行動療法は有効と報告した。
『足達淑子著 「ママと赤ちゃんが夜よく眠れるように」妊娠中からの親教育』より
『アメリカ文献 Mindell JA, Kurn B,Lewin DS,et al.Behavio-ral treatment of bedtime problems and night waking in infants and young children. Sleep 2006;29: 1263-1276.』
https://aasm.org/resources/practiceparameters/review_nightwakingschildren.pdf(英語)
・赤ちゃんに自力で寝つく方法を親が教えると、赤ちゃんの睡眠が改善した。
『Adair, R. et al., “Reducing Night Waking in Infancy: A Primary Care Intervention.” Pediatrics 89, no. 4, part 1 (1992): 585–88.』
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/1557234/
・赤ちゃんが夜通し眠る為には、自力で寝付くことを学ぶ必要がある。抱き上げて歩き回るなどの、本来は不要な親の手助けが、この学習をじゃましている場合がある。
『Ferber, R. Solve Your Child’s Sleep Problems. New York: Simon & Schuster, 1985,2006』
https://www.amazon.co.jp/Solve-Your-Childs-Sleep-Problems/dp/0743201639

赤ちゃんの睡眠が研究される中、ネントレについてよい結果が数多く存在します。
その一方で、医学的根拠のある悪い結果については調べても見つかりませんでした。

ですので、安心して取り組んでください。

 

ネントレのメリット

・泣いている理由がわかる、ぐずりが減る
どの時間に何をするかが決まっているので、泣いている理由がわかります。

「あ、そろそろミルクの時間だからお腹がすいているんだな。」
「昼寝の時間だからぐずぐずしてるんだな。」など、
赤ちゃんの要求に正しく答えられるので、赤ちゃんがぐずる回数を減らすことができます。

・夫婦の時間を楽しめる
だっこや添い乳で寝かしつけをしていると、かなりの時間を寝かしつけにとられてしまいます。
しかし、ネントレを実施できれば、起きるまでは自分たちの時間。
残っている家事を片付けられ、夫婦二人の時間を楽しむこともできます。
自分の時間を持ち、しっかりと体を休めることもできる点はネントレのメリットといえるでしょう。

 

ネントレのデメリット

ネントレのデメリットを強いて挙げるとすれば、やはり一定時間は泣き声に耐えなければならないという点です。
大声で泣いているのに、抱っこを我慢しなければならない点はママにとってつらいですよね。

しかし、長期的な視点で考えてみてください。

ネントレをして最初は泣いていても、いずれ自分で寝られる力がつきます。
自分で寝る力がつくと、規則正しい睡眠をとることができ、赤ちゃんは日中もご機嫌でいられます。

対してネントレをせず、ママ・パパがいないと寝ることができない場合。
1時間ごとにママ・パパを呼んで泣き、思うように睡眠がとれず、日中もぐずぐずします。

 

果たしてどちらの方が赤ちゃんにとって負担が少ないでしょうか?
どちらが親の精神状態を安定させられるでしょうか?

 

長期的な視点で赤ちゃんのことを考え、私はネントレをするという道を選びました。

 

 


まとめ

 

ネントレとは何なのか、以下のことがわかりましたね。
・ネントレは、赤ちゃんが自力で眠りにつくことができるようにするためのトレーニング
・眠りだけのトレーニングではない
・赤ちゃんの生活にかかわるものすべてを整えることがネントレの一環である
・ネントレは泣かせっぱなしにしない方法もある
・ネントレには大きく3種類あり、組み合わせやアレンジも可能
・ネントレは科学的根拠で良しとされており、メリットはあってもデメリットは少ない

ネットに数多くある情報がクリアになり、不安も取り除けたのではないでしょうか。

ネントレは、安心して取り組める手法です。

赤ちゃんの睡眠に頭を悩ませているママ・パパは是非前向きに検討し、
次の「知っておくべき赤ちゃんの生態」をご覧ください。